平均律の成り立ち「富士市 ピアノ教室」
2026/08/26
こどもから大人まで、生徒さんの個性が耀く
富士市の人気ピアノ教室
フェリーチェおさだ音楽教室です
ピアノになる前の鍵盤楽器はそのむかし
純正律と平均律に調律されていました。
ピアノは平均律で調律されています。
ところで純正律の「純」の字に騙されている方は
多いのではないでしょうか?。
現在、音楽シーンで
大手を振っている「平均律」に人の耳は毒されている
と思っている音楽家がいるかもしれません。
しかもこの「平均」という言葉はなんでしょう?
音楽に平均など持ち込まず
純粋じゃないといけない。
純正律こそが音楽を最も「純粋」に響かせるに違いない。
などと思っている方がいるかもしれません。
確かに純正律で作られた和音は美しいのです。
基準となる音に対して
3度や5度などの音の周波数比が
単純な整数比になるように音程を定めるのが純正律。
耳のいい音楽家が
音程を自由に調整できる楽器を自然にチューニングすると
おのずと純正律に近づいていくそう。
しかし純正律には大きな欠点があります。
転調した途端
恐ろしいほど濁った和音になってしまいます。
1つの調に特化した調律でしか美しい響きになれません。
音楽家たちはその欠点をなんとか補おうと
さまざまな調律方法を研究してきました。
しかしどの方法も必ずどこかで破綻してしまいます。
「平均律」は純正律や他の調律法の欠点を補う為
「多少の濁りには目をつぶって
1オクターブを12の音に均等に分けてしまおう」と
できたのです。
平均律は音楽の歴史に革命を起こしました。
何しろ12の調を自由に使える転調ができるのですから。
転調という技法によって
音楽のロマン性を大きく開花させることができました。
しかしその濁りは残っています。
ある作曲家が純正律のためのピアノ曲を作曲しました。
不思議な音楽で
あえて言えば雑味がまったくなく奥行きのない
平べったい音楽。
はっきり言ってとてもつまらなかったです。
純正律で調律された音楽、
つまり雑味や濁りがまったくない音楽を聴いたとき
つまらないと思ったのです。
ピアニストのウォンさんのお話によると
「ウォンさんの演奏からは平均律の濁りを感じません」
と言われるそうです。
最近ウォンさんは気づいたことがあります。
同じ平均律でもヴォイシングによって
濁りが
顕著に出る和音の作り方があり
(ヴォイシングとは
和音の構成音をどの音域・順番・間隔で配置するかを
決めることです)
和音は構成によって
濁りが多くなったり少なくなったりするため
ウォンさんは
平均律的に濁ってしまう和音の構成を無意識のうちに
避けているそう。
美しい響きの和音を求めることは
結局、平均律の濁りがなるべく少なくなるような
和音構成を求めることです。
例えば平均律の濁りを感じさせない作曲家として
印象派のモーリス・ラヴェル。
彼の和音構成は実に美しい。
そこには平均律の濁りが少ないです。
おそらくラヴェルの耳は
平均律の濁りにとても敏感だったのだと思います。
自覚的だったかどうかはわからないけれど
濁りの少ない和音構成を選んで作ったのでしょう。
彼のピアノ曲はもちろん、オーケストラ曲の響きの美しさも
まさに彼の「響きに対する感性」の表れなのです。
もちろん、どれほど濁りの少ない和音構成を選んでも
濁りがまったくなくなるわけではありません。
でもその濁りは
むしろ響きに陰影を作っているのかもしれません。
雑味のない音楽やコーヒーはつまらない。
多少の雑味こそがコクや陰影を作り
音楽やコーヒーを
より豊かなものにしているのではないでしょうか?
平均律が悪いのではなく
本来完璧ではない平均律を使って
なんとか美しく響かせようとする作曲家、演奏家の工夫が
音楽の奥行きを作っているのです。
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